2015年3月30日月曜日

MF「Timeless 2013」とベタさについて

いつまでたっても日本ではブルーレイのみだったので、AmazonフランスからDVD取り寄せました。まえに超低解像度でも描いた Mylene Farmer の「Timeless 2013」コンサート・フィルム。50才を越えてさすがにもうオバサンだろうし、そんなに期待はせずに。

ところが……失礼しました。すごいわ、相変わらず。ムチャクチャやってる。これ(↓)冒頭部分ですが巨大な会場全体を船に見立てて、宇宙基地みたいなCGをどんどん通り抜けたところで、照明/ディスプレイ機材がこんなふうに周囲からグワッと集まってきて、ためて、ためて、シャッターが開いたところで、歌いだすという。

劇団四季か宝塚か?

グラム・ポップス、なんていう言葉を思わず想像してしまいました。いやロックでもいいけど。Mylene Farmer、星くずジギーの頃の David Bowie に見える。しかも、今日のテクノロジーを使った演出なのでその glamorous ぶりもなお一層。このあとロボットたち踊るわ、ギターやピアノも電飾だらけだわ、巨大スクリーンといい、駆動する大仕掛けの照明機材といい。ちゃちな感じ、まったくなし。衣装は今回も Jean-Paul Gaultier だそうで。まー豪華なこと。

Spiders from Mars ?

ほとんど遊園地というか、glamorous テイストのディズニーランド? その証拠にこの人、昔から、歌いながら必ずどこかで「Avec moi !」と会場に呼びかけ、ものすごい大観衆を手拍子に誘います。あるいは歌の一部を会場と交互に歌ったり、感極まって涙を流したり。どこかのブログで「いなたい」なんて書かれてるの見たことありますが、確かにそういうところ、あると思う。要するに意外とベタ。

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で、今回、この「TIMELESS 2013」のこと作文しようと思ったのは、その “ベタさ” についての考えが自分も最近ちょっと、変わってまいりまして。


プロジェクト・リーダー


本編 2時間に、ボーナス映像も 2時間。きのう一気に見ていて思ったのはコレ、どんだけ大きなプロジェクトなんや、と。先にも書いたとおり演出がとにかくド派手で、ロボットや照明などハード部分から、映像やダンスなどソフト部分まで。さらに会場手配から(ヨーロッパからロシアに及ぶ)膨大な機材の運搬・設置、そして当日の段取りなどなど想像した日にゃ、アータ、泣きそうになりませんか。これ、任されたとしたら、どうさばきます?

いや、なにも、そんなことまで考えながら見ることもないんですが。年くってきたいせか(?)なんか最近つい、そんなことまで考えてしまう。いやいやボーナス映像がまさに、それこそ、そんなスタッフ・サイドの紹介だったんだ。素晴らしい。お見事でした。


コンテンツさえあれば?


歌は、歌。ギター 1本でも人を楽しませることは(出来る人には)出来る、もちろん。ただし、ごく限られた人々を。つまり趣味的にも、範囲的にも。数年前に「ロング・テイル」なんて言葉が流行りましたが、そこでは少数の “コアな” ファンが、時間的にも空間的にも広く分布することによって多数になる。それがビジネス/プロジェクトである限り、問題はいつも、採算の合う “数” をいかに確保するか。求める「インパクト × 規模」に応じて。

音をアンプリファイすることで、その場にいて聴ける人の数がぐっと増える(電波やパッケージ・メディアに乗せる「飛び道具」のことは少し措いといて)。また、表現をポップに=ベタにすることで、おそらく、コミットメントしてくれる人がさらに増える。そして困ったことに、どちらの場合も、やりすぎると “近く” の人から苦情が出る?


どうポップにするか


歌の場合きっと、歌そのものをポップにする方法と、それを聴かせるショウのほうをポップにする方法がある。「私は幻滅したジェネレーション」だの「これからは自分の傷がもう分からない」だの歌いながら Avec moi!ご一緒に! なんてのも、日本のアイドル・グループたちの歌のなんだか気味わるいポジティブさに、引けをとらないものがあるような気はする。

でも、50過ぎてまったく枯れず、ショウのほうでムチャクチャやってる Mylene さんが私、やっぱりカッコイイと思いました。Timeless 2013 ツアーの、このクオリティとこの盛り上がり。大変なチームワーク。歌い手のみならず女社長として(?)その度胸といい覚悟といい。何日も泊まり込みで開演を待った大観衆を、めいっぱい感動させて帰す一大興行プロジェクト。会場のみならず本人も感極まって声が詰まるのは、演出かそれともプロとしての感慨か。とても大きな意味での感謝なんだろうな、やっぱり。

バンドもお見事でした。
※ 画像はすべてコチラ http://www.mylene.net/galeries-photos-mylene-farmer/  公式フォトから。


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